プリント基板(PCB)の原価は、製造プロセス、使用する材料、基板の仕様(層数、厚さ、サイズ、特殊要件など)に大きく依存します。また、製造ロット数や生産地域によっても大きく変動します。以下に、基板の原価構成や影響する要素を解説します。
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プリント基板(PCB)の原価は、製造プロセス、使用する材料、基板の仕様(層数、厚さ、サイズ、特殊要件など)に大きく依存します。また、製造ロット数や生産地域によっても大きく変動します。以下に、基板の原価構成や影響する要素を解説します。
プリント基板(PCB)の原価は主に以下の要素で構成されています。
基材(コア材):FR-4、BT樹脂、セラミック、フレキシブル材など。
FR-4が一般的で安価、特殊材料(高周波対応や高Tg材)は高価。
銅箔:厚さや純度によってコストが変動。例えば、大電流対応基板では厚い銅箔(70μm以上)が必要で原価が上昇。
絶縁材:誘電率や熱伝導性の要件が高いほど高コスト。
仕上げ(表面処理):
HASL(はんだレベリング) → 安価。
ENIG(金フラッシュ)やOSP → 高品質だがコスト上昇。
パターニング(配線形成):
微細な配線や高密度設計(HDI基板)はコストが高くなる。
穴あけ:レーザー穴あけ(ビルドアップ基板)や埋め込みビア設計は高価。
多層化:
層数が多いほど加工工程が複雑化し、コストが上昇。
例えば、2層基板と10層基板では大きな原価差がある。
基板のサイズ:
基板が大きい場合、材料使用量が増加するためコストが高くなる。
最新設備が必要な微細加工技術や3D積層技術などは設備投資が大きく、製造コストも高い。
製造地域によるコスト差:
中国や東南アジアでは労務費が低く、安価な製造が可能。
日本や欧州では品質が高いが、コストも高い。
検査装置(X線検査、AOI、インピーダンス検査など)の導入。
高信頼性が求められる分野(車載、航空宇宙)では検査コストが上昇。
生産ロット数:大量生産時はスケールメリットで単価が下がる。
設計変更:特注設計やプロトタイプでは試作費用が高くなる。
2層基板(シンプル):低コスト。
4層基板:1.5倍~2倍のコスト増加。
10層以上(多層基板):5~10倍のコスト増加も。
標準的なFR-4基板:低コスト。
高周波対応(ロジャース、PTFEなど):3~10倍の材料費。
セラミック基板:さらに高価(10倍以上)。
表面処理:
HASL(鉛フリーはんだ):低コスト。
ENIG(金フラッシュ):2~3倍のコスト。
熱管理:放熱シートや金属基板(MCPCB)の導入で原価増加。
少量生産(プロトタイプ):試作費やセットアップコストがかかり、1枚あたりのコストが高い。
大量生産:生産効率が向上し、1枚あたりのコストが大幅に削減。
中国・台湾:低コスト生産に強み。
日本・欧州:高品質だが高コスト。
東南アジア:中間的なコストと品質。
標準材料(FR-4)を使用し、特殊材料を最小限に。
ビアや層数を削減し、シンプルなデザインを目指す。
生産ロットを増やし、コストを分散。
必要に応じて低コスト地域で製造。
プリント基板(PCB)の原価は、仕様、材料、製造方法、製造地域など多くの要因で変動します。コスト削減を図るには、用途に応じた最適な設計と生産計画を立てることが重要です。また、高付加価値基板では性能とコストのバランスを慎重に見極める必要があります。
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