【プリント基板をサイズで価格決定した時に起こる問題点】

プリント基板はそのサイズによって価格が変わります。同じ層数という基本的な構造で、同じ工程を経て製作されるプリント基板は、そのためサイズを基本とした価格は限りなく同じになる、というのが業界ルールと言えます。特に発注者の側ではこの点が意識され、複数のメーカーを発注候補として検討する際には、プリント基板が同じ層数で同じ工程で生産されるものであれば、後は製品のサイズによって価格が決まると考えられてしまいます。そのためプリント基板メーカーも、サイズから想定される発注者の値ごろ感から逸脱するような見積りは出せない、という事情があるものです。
しかしプリント基板メーカーが、いつまでも製品サイズによって価格を決めていれば利益はいずれ出なくなるでしょう。
基板上の回路は、その幅も間隙もどんどん小さなものになっています。それはミクロン単位で管理され、小さくなればなるほど歩留まりが悪化しやすくなるなど、難しい問題を抱えます。また製造工程のうち、化学銅メッキ・回路形成・レジスト印刷・文字印刷などは製品面積と加工1単位とが一致しますが、NC穴あけやNC外形加工および検査は、製品一点ごとに管理基準が大きく異なります。
例えば同じNC穴あけ機で加工される製品は、製品ごとに穴の数が数倍から数十倍の違いがあることなど多々あります。穴数が多くなるほど加工時間は長大になりますので、これを見積りに加味できないとしたら、基板メーカーにとっては大きな損失となります。しかし、そうした個別の製品情報は、顧客からは事前に提出されず、電子データで製品情報を受け取った基板メーカーが、内部で設計展開して初めて分かるというのが普通であり、その段階では価格は既に決定されているものなのです。