部品実装工程とは、プリント基板に各種電子部品を装着することを指します。初期の段階では、電子部品は種類も数も少なく、また大きかったため、手作業による実装が行なわれていました。今日では電子部品は極めて小型化しており、部品実装工程では手作業への依存度は日増しに低下しています。そのかわりマウンターと呼ばれる電子部品実装に特化したNC工作機器が導入され、自動化が進んでいます。
部品実装工程では、プリント基板の製造の製品別に専用のプログラムを組み、NCデータによってマウンターを制御します。プリント基板をマウンターにセットすると、自動的に機器内部にプリント基板が一枚ずつ搬送されます。そして機器内部での基板の進行方向とは、論理的には垂直方向で途中から数々の部品が投入されていき、基板に載せられていきます。基板の搬送が進み部品が載せられると、その先にはリフローと呼ばれる工程が待っています。これは熱でハンダを溶かし、載せられた部品を溶着することが目的です。
部品実装工程はこの段階まで自動化されており、あとはコネクタ・ケーブル・ネジなどの部品あるいは何らかの事情でマウンターでは実装できない部品を、手作業で取りつけて行きます。そしてあらかじめ決められた項目の検査を行ない、電気的または外観的に不具合がないかどうかのチェックを経て、梱包され、出荷されます。
プリント基板の生命線が回路の精度であるのと同様に、部品実装工程では確実な部品の実装・溶着が求められています。